Story
美術教師だった父親(たかお鷹)の世話になりながら引きこもり気味の怠惰な生活を送っているソウタ(中野マサアキ)。
ふとしたきっかけで父親を殺害してしまう。疎遠だった弟アキラ(大塚ヒロタ)とともに反発をしあいながらも父親の死を隠そうと事態を収拾すべく奮闘する。
叔父(加藤満)や父親の恋人(山下容莉枝)を巻き込みながら、事態はどんどんと悪い方へと進んでいく。
北浦兄弟|監督:辻野正樹|2024年|日本|94分|5.1ch|アメリカンビスタ
製作:「北浦兄弟」映画製作委員会
宣伝:ブライトホース・フィルム / 配給:GACHINKO Film
『河童の女』など、人生がうまく行かない人々を独自の視点で捉えた作品を送り出している辻野正樹監督による最新長編作品。
コーエン兄弟やポン・ジュノ作品を彷彿とさせるブラックテイストでありながらもペーソスあふれる、哀しい人間の想いをユーモアを交えて描いたロードムービーである。
2024年11月にエストニアで開催された世界15大映画祭のひとつ「タリン・ブラックナイト映画祭」(28th Tallinn Black Nights Film Festival)クリティック・ピックス・コンペ部門にて「最優秀作品賞」を受賞した。
美術教師だった父親(たかお鷹)の世話になりながら引きこもり気味の怠惰な生活を送っているソウタ(中野マサアキ)。
ふとしたきっかけで父親を殺害してしまう。疎遠だった弟アキラ(大塚ヒロタ)とともに反発をしあいながらも父親の死を隠そうと事態を収拾すべく奮闘する。
叔父(加藤満)や父親の恋人(山下容莉枝)を巻き込みながら、事態はどんどんと悪い方へと進んでいく。
中野マサアキ / 大塚ヒロタ
加藤満 / 関口アナン / 芦原健介 / 西山咲子
如月まりな / 手塚みのる / 高橋好史
たかお鷹 / 山下容莉枝
監督・脚本・編集:辻野正樹
プロデューサー:辻野正樹 / 中野マサアキ
プロデュース協力:飯塚冬酒
撮影:吉沢和晃|
音楽:桜井芳樹|
助監督:松岡寛|
録音:百瀬賢一 / koty / 寺内丈|
制作:川岸陵|
ヘアメイク・特殊メイク:ayadonald|
衣装プラン:松本人美|
現場衣装:西山咲子|
小道具:中野マサアキ|
水彩画協力:関口アナン|
グレーディング:松岡寛|
合成:内田剛史|
整音:東凌太郎|
効果:浦川みさき|
フォーリー:岡部泰輝|
スタジオ技術:森史夏|
DCP作成:原みさほ / 菅原彩花|
スタジオ営業:岩丸恒|
撮影助手:呉大雅俊 / 伊藤悠馬|
ヘアメイク応援:齊下幹|
企画協力:岩田和浩
脚本家・舞台演出家としての活動を経て、ホラー短編オムニバスDVD『奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語』(2017年)で監督としてデビュー。その後、初長編『河童の女』(2020年)が劇場公開。脚本家として、近年は、『世に奇妙な物語 ʻ23秋の特別編 (地獄で冤罪)』などを手掛けている。
1977年生まれ、長野県松本市出身。劇団プープージュース座員。映像・舞台と多分野で活動する個性豊かな俳優。近年の出演映画は『雨ニモマケズ』(飯塚冬酒 監督)、『ぴっぱらん!!』(崔哲浩 監督)、『オジさん、劇団始めました。』(山本浩貴監督)等。出演ドラマは、NHK『虎に翼』、CX『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』、DMM TV『SCRUM エピソード0』等。また、TVCM『サテライト・オフィス』の〈かいけちゅ!?〉のキャッチフレーズで話題になった。
プロデュース作品:『誰かの花』(奥田裕介 監督)、『夢こそは、あなたの生きる未来』(小野篤史 監督)、『FRIDAY』『歌と羊と羊飼い』(四海兄弟 監督)など多数。
監督作品:『MOON and GOLDFISH』『雨ニモマケズ』
Comments
映画に寄せられたコメントをご紹介いたします。
どうしようもない兄に、どうしようもない弟が加わって。
物語はアクセル全開。止まることなく転がっていく。
ただ、この弱さと卑しさには見覚えがあるし、どうにも共感できてしまう。
悪い冗談の行き着く先は、日本の沈んだ闇を想起させる。ピリッと痛快。僕は好きです。
戸田彬弘
映画監督
サイテーすぎる兄弟だけど、そんなふたりになぜか感情移入してしまう辻野マジック!
主演の中野マサアキさんのなんともいえない佇まいがたまらない。令和の時代に、和製リッキー・ホイ誕生!
ブラジリィー・アン・山田
脚本家・劇団チリ主宰
こんな愚かな兄弟が実際いたとしたら恐ろしいことだが兄弟姉妹というものはおおよそ彼らと似たりよったり。やや郷愁漂う作品だが兄弟の人間としてあまりのダメっぷりにそんな気配もすぐにふっ飛び終始大笑い。しかしこれ自分のことかもと戦慄が走る。そんな映画にキャッチコピーをつけるなら某作品にあやかり 『このへんな兄弟は、まだ日本にいるのです。たぶん』
佐藤佐吉
映画監督・脚本家
不思議と観届けてしまう...... 主人公の成長譚や哀しい別れと再生、喜ばしい人生の謳歌ばかりが映画じゃない!
英雄への憧れ、スリルや恐怖、冒険譚への陶酔ばかりが映画じゃない!
憧れどころか、厭きれかえってしまう高学歴の中年馬鹿兄弟。
永遠のモラトリアム地獄を、流されるままに過ごすような二人を眺めながら......これも人間賛歌であり、映画なんだ......と思えた。
妙にリアルな芝居は、嫌悪感を掻き立てるが、不思議と観届けてしまうし、笑ってしまう......その笑いの裏で「実は世界中にたくさん居そう」とすら思わせる。
浮世離れしてるようで、そうでもない......妙に等身大なのが怖くすらなる。
社会不適合なクズ人間がクズ人間のままに描かれた、少子高齢化のブラックな珍道中に“現代の無常”を魅せられた気がした。
清水崇
映画監督
「情け無い、ちゃんと考えろ!馬鹿が!あちゃー!やってしまったよ!もう!」
そんな言葉がいっぱい出てくる。
駄目な人間の可笑しく愛おしい人間讃歌!!ほんと面白い!!
近藤芳正
俳優
『北浦兄弟』、面白い映画だった。ヒッチコックの『ハリーの災難』のような死体隠しをベースにしているが、徹底して乾燥させたブラックユーモアというか、独特な兄弟の距離、間があって、最後まで惹きつけられた94分だった。
自分が信じ、創りたいと願い、精神的、物理的困難を乗り越えてついに表現者として作品を結実させる。 久しぶりにそういう日本映画を観た気がした。
安倍照雄
脚本家
どうしようもない兄に、どうしようもない弟が加わって。
物語はアクセル全開。止まることなく転がっていく。
ただ、この弱さと卑しさには見覚えがあるし、どうにも共感できてしまう。
悪い冗談の行き着く先は、日本の沈んだ闇を想起させる。ピリッと痛快。僕は好きです。
戸田彬弘
映画監督
サイテーすぎる兄弟だけど、そんなふたりになぜか感情移入してしまう辻野マジック!
主演の中野マサアキさんのなんともいえない佇まいがたまらない。令和の時代に、和製リッキー・ホイ誕生!
ブラジリィー・アン・山田
脚本家・劇団チリ主宰
こんな愚かな兄弟が実際いたとしたら恐ろしいことだが兄弟姉妹というものはおおよそ彼らと似たりよったり。やや郷愁漂う作品だが兄弟の人間としてあまりのダメっぷりにそんな気配もすぐにふっ飛び終始大笑い。しかしこれ自分のことかもと戦慄が走る。そんな映画にキャッチコピーをつけるなら某作品にあやかり 『このへんな兄弟は、まだ日本にいるのです。たぶん』
佐藤佐吉
映画監督・脚本家
不思議と観届けてしまう...... 主人公の成長譚や哀しい別れと再生、喜ばしい人生の謳歌ばかりが映画じゃない!
英雄への憧れ、スリルや恐怖、冒険譚への陶酔ばかりが映画じゃない!
憧れどころか、厭きれかえってしまう高学歴の中年馬鹿兄弟。
永遠のモラトリアム地獄を、流されるままに過ごすような二人を眺めながら......これも人間賛歌であり、映画なんだ......と思えた。
妙にリアルな芝居は、嫌悪感を掻き立てるが、不思議と観届けてしまうし、笑ってしまう......その笑いの裏で「実は世界中にたくさん居そう」とすら思わせる。
浮世離れしてるようで、そうでもない......妙に等身大なのが怖くすらなる。
社会不適合なクズ人間がクズ人間のままに描かれた、少子高齢化のブラックな珍道中に“現代の無常”を魅せられた気がした。
清水崇
映画監督
「情け無い、ちゃんと考えろ!馬鹿が!あちゃー!やってしまったよ!もう!」
そんな言葉がいっぱい出てくる。
駄目な人間の可笑しく愛おしい人間讃歌!!ほんと面白い!!
近藤芳正
俳優
『北浦兄弟』、面白い映画だった。ヒッチコックの『ハリーの災難』のような死体隠しをベースにしているが、徹底して乾燥させたブラックユーモアというか、独特な兄弟の距離、間があって、最後まで惹きつけられた94分だった。
自分が信じ、創りたいと願い、精神的、物理的困難を乗り越えてついに表現者として作品を結実させる。 久しぶりにそういう日本映画を観た気がした。
安倍照雄
脚本家