この世はありきたりこの世はありきたり

STORY

ユキは毎日考えている。
自分が「特別な存在」なのかどうかを。
それは誰もが一度は考えるありきたりなことかも知れない。
ではありきたりじゃないとはどういうことなのかなと考えれば考える程、
何が起こっても世の中からしたら、いや地球からしたら、
いや宇宙から考えたら、神様の視点からすれば、
ありきたりなのかな。
何にせよ、この世はまだまだ無くなりそうではないので、
今日も「特別な存在」について考えてみる。

CAST

岡田あがさ

星野ゆうき / 田口由紀子 / 田中萌 / 松本高士 / 岡本裕輝

ほりかわひろき / 牛丸亮 / 村田啓治

FILM CREW

撮影:岩川雪依 / 照明・録音・音楽:塩出太志 / 助監督:田村専一、宮原周平 / 小道具:佐藤美百季

エグゼクティブプロデューサー:露木栄司 / 原作:岡田あがさ / 監督・脚本:塩出太志

協力:機材レンタル Y.D.S、ニューシネマワークショップ、ルセロ、木島康博、高嶋義明、吉田真由香、池田淳、MOTION GALLERY

製作:Grand Master Company

配給・宣伝:ガチンコ・フィルム

この世はありきたり|2018年|日本|63分|ステレオ|

COMMENT

  • 渡辺紘文 [ 映画監督 ]

    公言していることだが僕は塩出太志監督作品のファンである。
    誰かに好きな映画監督はいるかと聞かれれば塩出太志監督と答えるし、好きな日本映画はあるかと聞かれれば塩出太志監督の映画と答える。
    塩出監督の作品を観るたびに僕は言いようのない多幸感に包まれる。
    『死神ターニャ』も『ロード・オブ・ツリメラ』も『時々巡りエブリデイ』も傑作だらけの短編映画も、観るたびに「この人はなんという面白い映画を創る人なんだ」と笑わされ、度肝を抜かれ、唸らされまくった。
    新作『この世はありきたり』も期待値MAXで観たけれどやっぱり想像を遥かに超えて凄かった。
    塩出監督の作品は一生追いかけ続けるし、塩出監督が作品を作り続ける限り僕も映画を作り続ける。
    『この世はありきたり』を観て僕は改めてそう思った。

  • 根矢涼香 [ 女優 ]

    名前のついた居場所を皆欲しがる。
    帰りたい。かえりたい。何処にあるのだろう
    人との繋がり方にマニュアルみたいなものがあればいい。
    でもそれじゃあまりにもつまらない気もする。
    それぞれに自分しか愛していないのだと知ると、やるせない。
    だけどそういうものかなとも思う。
    誰かに存在意義を求めているうちは、きっと相手のことなんて見ていないし、痛みを愛と履き違えると、自分の感情は何処かへいく。
    「大丈夫」にしようとする。うまく笑えていない。
    ホクロとか、利き手みたいに、誰かから受けた傷跡も、繰り返し同じ場所にできるかさぶたも、その人の一部として染み付いて、辿っていく星みたいなものなのだろうか
    けれどやっぱり、傷は傷だ

  • 松本大樹 [ 映画監督 ]

    中盤に唐突に出てくる○○○○○シーン。あのシーンが僕は特に好きだ。監督がやりたかったのか?女優さんがやりたかったのか?一見テーマからは無関係に思えるかもしれないが、紛れもなく撮りたい衝動に駆られて撮られたものだろう。そういった制作者の想いがより強く感じられるインディーズ映画って、やっぱり素晴らしい。

  • 渡邊安理 [ 女優 ]

    なんだこの物語はっ?!理解しようとしている内にどんどん引き込まれてしまい、あっという間の1時間。‬
    岡田あがさという女優の人を惹きつける力はなんなんでしょう。底がなく果てることもないあのパワー、圧巻です。
    主人公は凡人だと思い込んでる奇人。
    この映画、見終わってからも、何日も思い出し反芻しちゃってます。

  • 小原徳子 [ 女優 ]

    ユキの狂気に満ちた言葉や目に吸い込まれていくうちに、段々自分と重なってくる。きっと、誰の心の中にもユキがいるんじゃないかな。
    塩出監督が撮る世界はいつも挑戦的でわくわくする。映画の距離感よりもっと近くにユキがいるような不思議な感覚。
    モヤモヤした日々を送ってる人は、この作品で心の暗闇から脱出する背中を押して貰えるはず。

  • 葛木英 [ 俳優・脚本家・演出家 ]

    自分の心の大きな穴に、暴風雨が吹き込んでくるような作品です。
    圧倒的寂しさに対して、剥き出しになって闘う彼女の姿は美しくて、羨ましくて、憧れます。
    思春期に、父親に捨てられたんだと頭のおかしくなっていた自分と、狂った恋愛から抜け出せずに彷徨っていた自分に見せて感想を聞いてみたい。
    普通に生きていくには少々不便な感受性も、下がりきった自己肯定感も、この作品が全部いい具合に受け止めてくれる気がします。
    解決はきっと出来ないけど、共感って、ひとつの救いになると思うから。
    この作品は大好きだけど、ずおーんとなるから、塩出監督のコメディも一緒にどうぞ。

  • 木村知貴 [ 俳優 ]

    ありふれた日常に潜む心の闇。他者と繋がっているようでいてもその実感が得られない、まるで透明人間と会話しているような感覚。誰かの特別、自分の特別な存在、そもそも存在とは?人間誰しも承認欲求の塊である事をまざまざと見せつけられる作品でした。

  • コヤマシノブ [ 布モノアート作家 ]

    冒頭から、薄暗く冷たい廃屋。アザだらけの女性。突き刺さるセリフの数々。繰り返される自問自答は、辛くてとても見てられないはずなのに、なぜこんなにも目が離せないのか?!

    物語が進むにつれ、気がついてしまいました。

    「これは私だ、私の中に潜む感情なんだ!」と。

    爪の先、髪の毛一本一本まで、叫び、震え、微笑む彼女が、私の奥底に閉まっていた気持ちを全部持って行ってくれた気がして、ホッとしてちょっと泣きました。

    62分後、皆さんもぜひ体感して下さい!!

  • ホーリーアイ [ 魍魎ズ ]

    人間誰しも持っている喜怒哀楽を爆発的に表現している女優岡田あがさ!
    特に怒の部分は神がかっていて、何度もドキッとさせられた!
    画面から次から次へと言葉を浴びされ、観終わった後の脱力感といったらもう。。
    現実と非現実の狭間でヒリヒリとする緊張感の世界はまるで魍魎たちがそこにいるかように錯覚してしまう!
    塩出ワールド全開フルスロットルの今作品ぜひ要チェックアーイ!

  • 西山真来 [ 女優 ]

    演劇を撮る映画といえばワイズマンの「最後の手紙」とか濱口竜介監督の「親密さ」とか、、数々の名作がありますよね。演劇を撮る視線って独特の奇妙さがあって、それで注視してしまうんですけど、塩出監督はまた独特のやり方でそこを爽快に突き抜けていく、、闇へと、、そう、塩出監督のこと闇のエンターテイナーと呼んでます私は。陰で。すごく面白くて笑って泣いて、でも見終わったあと「面白かったー!にしても変な作品!笑っ」てよく言ってる気がする。これもまさにそう。
    あと、岡田あがささんの顔、手足、身体は造形としてもかっこいいし、キレイ→面白い→怖い→とくるくる変わって雄弁ですごい!

  • しじみ [ 女優 ]

    剥き出しの私がダダ漏れになっても、私の全てを受け入れて!そんな貴方が愚かで健気で可愛いねって言ってくれなきゃブン殴るぞ!ヒステリーは怒っているんじゃないんです。ずっと泣いているんです。これは「特別」を手に入れた岡田あがささんからのエールだ!

  • ハマカワフミエ [ 女優 ]

    私に出せるコメントなんて、
    「あがさ最高」以外何かあるんだろうか、と思いながら観たら塩出監督も最高でした。
    演劇の一回性、再現不可能な迸りが、映画という永遠の中で繰り広げられるという幸せ。
    誰かに必要とされ、また誰かを必要としたがる、ありきたりな全てのひとに観てほしい映画です。

  • 飯塚貴士 [ 人形映画監督 ]

    自分は普通だと思っているけど他人からみたら普通ではないこと。
    世の中の一人一人が大小さまざまなそういうものを持っていて、分かった風にぶつけ合う。
    自分が見ている景色が絶対だと信じてやまない人よりも、自分の見ている景色を人に伝えたいと思い、人の見える景色を知りたいと思う人が僕は好きだ。
    でもそういう人ほど辛い目に遭って、こじれて、追い詰められていくのはどうしてだろう…
    劇場いっぱいに広がる、この世の不公平な因果に向き合うユキの危うさと美しさとかっこよさに包まれて欲しいです。

  • 辻凪子 [ 女優 ]

    落ちて、落ちて、落ちて、落語をしても落ちていく。早くこの人に光が灯ってほしい、映画が救ってほしいと願った。岡田あがささんの素顔が見えないほどの憑依っぷりに驚いた。2020年早々にこの映画を見た衝撃はすごいぞ。

  • 野本梢 [ 映画監督 ]

    『ロード・オブ・ツリメラ』でドキドキさせてくれた岡田あがささんの主演作。あのあがささんは何処へ…というほど序盤は痛々しい。それが彼女の日常が見えてくると、切なくて、かっこよくて…。こうして物語が進むにつれ女性の美しさが輝いていくのが塩出さんの腕!あと時刻を言うだけで面白いほりかわひろきさんはずるいです!ぜひ劇場へ。。

  • 橘さり [ 女優 ]

    こんなにも幸せが似合わないユキ。
    でも観ている側は幸せになって欲しいと願ってしまう。
    でもその幸せって何だろうってわからなくなります。
    本当はこうしてやりたいけどなかなかできない事をユキはやってくれる。それが清々しすぎて観ていて心地良くて、私の中では憧れの女性版ジョーカーです。綺麗事を蹴散らして、人の善意をはねのけてそれだけ自分に素直で。皆不器用だし皆少しずつズレてる。鈍器で顔を殴ってくる『この世はありきたり』の全セリフに、殴られれば殴られるほど心が嬉しくなっていくから凄いなぁって。何度も全身でこの映画を浴びたくなる大傑作です!!!

THEATER

  • 2020年

    新宿K's cinema
    1月4日(月)~1月17日(金)
    連日19:00~

    監督&キャスト、劇場にてお待ちしております

CONTACT

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    ガチンコ・フィルム info@g-film.net